院の講義が始まって、ゼミの予習とその他雑務が忙しすぎてブログにまで手が回ってません。少し落ち着いてきたらブログももっと短いスパンで記事を書きたいと思ってます。
さっそく内容ですが、
- 作者: ガー・レイノルズ,熊谷小百合
- 出版社/メーカー: ピアソン桐原
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 単行本
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この本は前作プレゼンテーションzenという本があるのですが、本屋で見て、どちらか一冊しか買う余裕がなかったのでより興味がわいた上の本にしました。
結果としては前作を読んでいなくてもちゃんと読めるような構成になっているので、全然問題ありませんでした。
この本自体はプレゼンの仕方全般についてというよりは、プレゼンで使うスライドのデザインについて重点的に書かれています。スライドをデザインするうえでの注意点が的を絞って書かれているため、読んだ頃にはしっかり注意すべき点が浮かぶと思います。
基本的にはプレゼン用のスライドを作成する場合にソフトを用いた「テンプレート」そのままで「型にはまった」、「詰め込まれた」スライドからの脱却が目的とされています。
それらを見ていると、よくあるありきたりな「アニメーション」や「箇条書き」ばかりのスライドは一種の退屈さを与え、テンプレートそのままの「背景」や隙間なくスライドが埋め尽くされ、グラフやデータなども詰め込まれているといったい何が重要なのか要領を得ません。このようなスライドがプレゼン用のスライドとしていかに残念なものであるかが分かります。
まず、私が読んでていいなと思ったのは「フォントの選び方」についてです。スライドに文字を入れるとき、フォントの選択というのは選択肢がとても多いため難しく、それでいてスライドの印象を変える重要なポイントになっています。作者の良く使うフォントを具体的に紹介し、それらのフォントがどのような印象を与えるか、どのように使い分けるかが書いてあります。
次に、デザインについて学んだ人は基本的なことだと思いますが、色が与える印象やスライドに使う色の選択についてです。なるほどと思ったのは「写真から色を抽出して使う」でした。良いデザインの写真から色を抽出するというのは確かに良い方法ではないかと思いました。
画像についても、どの程度の解像度が良いか、ファイルの大きさはどの程度がよいか、画像ファイルの形式はどのように使い分けるかがまとめられています。
大体一貫して「静的」なスライドが主に語られます。基本的にはそれがプレゼンにおけるスライドのデザインの中心であるのだと思います。ですが、ある種の場面においては「動的」なスライドが効果的であることも書かれています。どのような場面でアニメーションを使うかという指標になるかもしれません。
最後のサンプル集は様々な場面における実際のスライドがサンプルとして紹介されています。読者にもいろんな人がいると思うのですが、大学生から社会人までいろんな人に役に立つのではないかと思います。
この本を読んでいると、最初は「どのようにスライドをデザインするか」ということばかり意識するのですが、最終的には「どのようにプレゼンのストーリーを構築し、そのためにはどのようなデザインにスライドをすればよいか」という方向に意識がシフトします。
また一貫して「詰め込まれたスライド」から「シンプルなスライド」への転換を行うことが書かれています。詳細なデータを参照する場合は別に資料を配るなどして、スライドは「シンプルに」と書かれています。確かに比べてみるとそれがどれほどの違いになるのかがよくわかりました。
Web上での評価を見る限り、前作も良書のようですが、この「プレゼンテーションzen デザイン」も良書です。文字ばかりでなく、視覚的にも楽しめる本なので読みやすいかもしれません。またプレゼン以外にも役に立つかもしれません。ぜひ機会があれば一読をお勧めします。