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年に一度、「使わない」技術を学ぶ

年に一度、業務やプライベートでも基本的に「使わない」技術を学ぶようにしている。

これは単に趣味とか好奇心だけでなく、最新のことをいち早く知ったり、知識を横に広げるために重要だと思ってやっている。簡単に言えば、知っていて「選ばない」のと知らないで「選べない」のは大きな違いだということを思っているからである。

もちろん、AIはこの領域に大きなアドバンテージがあって、個人の知識の偏りに依存しない領域まで含めて出してくれる。ただ、これは聞き方や環境(プロンプトなど)に依存したり、結局受け取り側のバイアスによって「すでに知っている」内容でなんとかしようとしてしまうこともある。 挑戦的な姿勢を取り続けようとしない限り、人は保守的になりやすい(保守性バイアスや現状維持バイアスと呼ばれる)。自分の理解しやすいもの、知っているものを好みやすいし、自分の知らないものや理解できないものは選択肢から除外してしまう傾向にある。

こうしたことは姿勢だけでなんとかするのは難しく、結局のところは保守的な姿勢の改善だけでなく、保守性をもたらす事象自体への対処も大事になる。保守性をもたらすのは自分の知識や技術、経験の幅や領域によっている。

じゃあどうするか、というと今は必要としていないし今後もおそらく使わない、という知識や技術に触れ、経験を積むしかないと思う。

そこでアドベントカレンダーの際に、そうした技術をしっかり学ぶようにしている。これが年に一度、普段使う技術や知識を深めるだけでない、幅につながっているように感じている。

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今後、AIはさらに賢くなり、人間の持つ知識の深さや幅に依存する領域が狭くなっていくかもしれない。ただ、結局最後に選択するのは人間なので、各技術や知識のバックグラウンドにある事柄を理解していることで、AIに言われた通りのことしかできない人間になるか、AIと協働できる人間になるかが決まるはずである。

AIに言われた通りに作り、人間側がそのまま知識のアップデートもしなければ、それ以降、AIに言われた通りに作り続けることしかできなくなる。

個々人として、AIに支配されるか、AIとともに成長したいかの分水嶺が今の時代かなと思う。

その時代だからこそ、自分の今知っている領域を深めるだけでなく、幅を広げて最新を学ぶ姿勢はできる限り取り続けたいと思う。そのための習慣として「年に一度、「使わない」技術を学ぶ」ことにしている。