- 作者: ジョシュスキーン,デビッドグリーンハフ,Josh Skeen,David Greenhalgh,吉川邦夫
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2019/02/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
2019/2/14 に発売された Kotlin 初心者向けの書籍。
Kotlin の日本語書籍だと1年以上前のものが多く、多少古い情報になっていたりするものもある中で新しい情報を含めて書かれている点がこの本のウリだと思います。
とは言ったものの、例えば最新の機能であるコルーチンなどは紹介程度なので、すでにKotlinはある程度書いたことがある人は一度書店で見てからにしたほうがいいと思います。
単なるリファレンスではない入門書
プログラミングの入門書ではなく、Kotlinの入門書。
他の言語で多少プログラミング自体は理解した上で Kotlin を始める人向けの本だと思います。
ただ、他の言語でやってきた人にとって、文法を理解していく中で「これはなんでこういうふうになっているんだろうか」であったり、「どういうときに使うのか」というところが知りたいというのは多いと思います。
意外と入門書だと文法紹介で「こうしたらこう動く」までにとどまっていて、そういうところを理解することが書籍だけではできなかったりします。この本では、ある程度「なぜこの文法、関数があるのか」といったところまで適度に説明が入るようになっています。
その分、つまみ食い的な読み方よりも、1章から順番に読んでいくほうが良い本という印象です。400ページほどですが、実際にコードを動かしたりしているとそれなりに時間がかかるとは思います。
Javaとの相互運用部分が書かれている
Javaとの相互運用を想定した章があり、Javaの資産を利用しながらKotlinで開発するなどにも対応できるようになっています。
意外と既存のJava向けライブラリを利用しながらKotlinを書くことは多いので、自身のJavaライブラリを用いなくても、結構重要な知識にはなるので、このあたりまでキチンと書かれているのは好印象でした。
Androidの説明は、触りだけ
Androidの入門の章があるが、入門については本当に触りだけ書かれている印象。
ただ、Androidアプリの開発でKoltinを利用する際にどのような書き方になるかといったところは非常にわかりやすいと思います。
Kotlin向けの拡張である kotlin-android-extensions や Anko も紹介されています。
まとめ
これから Kotlin を学び始める人にはおすすめできる1冊だと思います。
Kotlinを初めて書き始めたときに「こういうときはどうするんだろう?」というところの大部分が抑えられているように感じました。
ただKotlin 自体を紹介する本なので、Webアプリケーション開発やAndroidの開発などを本格的に行うとなった場合はこの本だけでは足りないと思います。この本でKotlinのエッセンスを学んだ上でそういった個々の開発に必要な知識を学ぶと、Kotlinの機能を活かしたKotlinらしいコードを書けるようになるのではと思います。