前回までに共変微分をやったので、今日は曲率をしようと思います。
ただ、ここで証明や計算をやっていると長くなりすぎるので、計算や証明は省略しながら、重要な式や内容だけを書いていくことにします。
前回やった共変微分というのは、実は普通の微分とは違って一般的に可換ではありません。
つまり、任意のベクトルに対して、は一般に0にはならないということです。ここで、式中に出てきたはRiemann-Christoffelの曲率テンソルと呼ばれるものです。いわゆる空間の歪みの程度を表しているものだと言えます。
ここでこのRiemann-Christoffelの曲率テンソルというものを考えてみたいと思います。
いま、次のような式を考えます。
これは、 の定義を用いると次のような対称性を導くことができます。
この対称性から、 は独立成分が21個しかないということが分かります。
しかし、(証明は省略するが)次のような恒等式が存在するので、独立成分は20個となります。
また、上の式を証明する際に出てくるもう一つの恒等式
はBianchi恒等式と呼ばれる重要な恒等式です。
また、次のような量を導くことができます。
ここで、はRicciテンソル、はスカラー曲率と呼ばれます。
さらに、先ほど出てきた恒等式
のαとνを縮約し、さらに計算していくと
となります。ここではEinsteinのテンソルと呼ばれます。
やっと、Einsteinのテンソルと出会えました。(証明、計算等諸々をすっ飛ばした結果ですが・・・)
この次からはさっくりと重力場方程式に突き進んでみたいのですが、順当に行くと一般相対論での重力場での質点の運動方程式やMaxwell方程式を考えてからとなります。行けそうであれば、次から重力場方程式、できそうになければ順当に質点の運動方程式に入っていきたいと思います。
(今日のは少々添え字が多い式が多いので、ミス等は結構あるかもしれません)