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『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』を読んだ

今回は技術的な話ではない話。

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

2015年出版の書籍ですが、読んでみてNPSとかロイヤルティとかについて知りたいと考えている人には入門として良さそうと感じました。

ただマーケティング用語が出てくるため、多少なりともマーケティングについて知っている必要があるかと思います。

なぜ顧客ロイヤルティなのか

なぜ顧客ロイヤルティなのかという点は、ロイヤルカスタマーの創出とそこから生まれる好循環として本の序盤で触れられています。

しかしながら、本全体を通じてもバックグラウンドにこの思考が重要であることを前提として解説が行われています。マーケティングに興味があり、顧客ロイヤルティという言葉を知らない人は、この本からそれらを感じ取って行くことで、より一層マーケティングをビジネスや売上に繋げられると思います。

日本企業の例が載っている

この書籍における重要な点として、売上/収益・顧客ロイヤルティ・組織文化の醸成のそれぞれの関連をきちんと解説していることが挙げられると思います。

単なるブランディング戦略ではなく、顧客ロイヤルティによる長期的な企業戦略、そこから生まれる売上/収益の創出、そしてそれらを導くための組織文化の醸成という点が、組織における経営陣から組織末端の社員・従業員まで理解すべき内容であることを示唆しています。もちろん、これらを組織に浸透させるのは経営陣や上層部となるとは思います。しかしながら、各戦略を推進して、顧客ロイヤルティを向上させていくのは顧客に頻繁に触れることになる組織末端の社員や従業員となることも多いのではないでしょうか。この書籍では、それらを理解するという点で、日本企業の例が多数載っているので、実際にコールセンターや営業などの顧客と直接触れる社員・従業員による行動が顧客ロイヤルティを向上させる結果となることがわかりやすくなっているかと思います。

顧客ロイヤルティを評価する指標

まず第一に、数値を目的としないことが強く語られていると同時に、数値目標を達成することが実際の目的の達成と一致するようにすべきということが解説されています。自身の身の回りの数値目標を確認してみて、本当に目的達成と一致しているか、長期的に見ても良いものかなどを見てみると良いかと思います。

主にNPSが顧客ロイヤルティを評価する指標として本書では触れられています。これらNPSなど、顧客ロイヤルティの指標をどのように収集し分析するかを、顧客ロイヤルティ向上の各ステップごとに解説されています。これにより、ステップごとに具体的にどのようにすすめていくべきかを理解しやすくなっています。

また陥りやすい注意点をしっかりと記載してくれているため、実践時にも参考になるのではないでしょうか。

いきなり全てを導入しなくても、できることはありそうと感じる一冊

組織や会社全体を変えるという点では、組織改革や文化形成などトップレベルからの変革が非常に重要になることが、書籍の中で示唆されています。一方で、現状すでに進んでいるアンケートによる顧客の満足度調査などに対しては、書籍内で紹介されていることを反映し、分析まで持っていくことで、顧客ロイヤルティの向上に向けたボトムアップな組織文化の醸成を進めることはできそうです。

とは書いたものの、やはりこの本で書かれている内容を実践していくには、組織のトップレベル出ないのであれば小さな組織のほうが始めやすいかもしれません。